MOOOOD vol.1 編集長 磯田基徳の見つめる世界〜LOVE〜

-カッコよく。おもしろく。クリエイティブに発信。

美容師はクリエイティブな仕事です。
カッコよく見せることができる。
トレンドを生み出すこともできる。

僕は以前から、それは「美容師」のフィールドに限ったことか疑問でした。
ヘア以外だって、もっとクリエイティブに魅せていけると思うんです。同じことをやるにしても「イケてる」行動に昇華させたい。どんな出来事にも今までと違うワンアクションを加えて、クリエイトすれば新しい価値を生み出せると思います。

僕は、サロンワークとは別に「LOVE」という活動を行っています。
福祉施設でのボランティアカット、「LOVE」オリジナルのアパレル販売、フリーマーケット開催など活動はヘアに留まりません。
ボランティアのヘアカットとだけ聞くと真面目な印象ですが、そこにクリエイティブな視点を掛け合わせると、ファッショナブルなイケてる活動に変わる。
ボランティアに行く時は、お揃いの「LOVE」ロゴ入りのキャップを身につけていくと、それだけでカッコいい。いいことをやっているだけでは終わらない、「あいつらカッコいいじゃん」と映るちょっとした憧れになる活動。それが目指すところです。

周りの人にはどう見えるか、どう魅せるかを考える。
それって美容師の得意分野ですよね。
美容師だからこその業界内の繋がりや地域との接点をフル活用すれば、新しい世界がもっと広がっていくと思います。

-ここからもっと美容師の価値を上げていく。

「LOVE」の活動を通じて、美容師が作れる世界の広さに手応えを感じています。
福祉施設でのヘアカットは、活躍のフィールド拡大はもちろん、美容師としての原点を思い出す機会にもなりました。

カットの対象は施設に通う子どもたち。
そういった子どもたちはとてもセンシティブで、いつもと雰囲気が違う、髪の毛を触られるというだけで大声を上げてしまうことがあります。
では今までどうしていたかというと、各家庭でお母さんがカットしていたんです。
僕たちがヘアカットに赴いたことで、「うちの子、オシャレが楽しくなって、最近はワックスを使ってヘアセットをしています」とお礼の手紙をいただきました。
すごく嬉しかった。
喜んでもらうために美容師になったことを思い出しました。髪を切るって、人を変えるパワーがあるんです。

今、この活動を全国に広げられないか働きかけています。
サロンも福祉施設も全国各地にあります。
これってすごい可能性の塊です。
地元サロンに福祉カットのノウハウを教えて、各地の福祉施設と繋がりを持ってもらう。
そうした地域での活動が広がっていけば、美容師の社会的価値が高まっていくと思います。

サロンワークから社会へ。
美容師として、まだまだできることがあると思うと楽しみしかないですね。