DADA CuBiC 植村隆博氏 COLORFULを語る。

COLORFULへの印象

バラエティに富んでいるところが面白い

 メーカーさんが発行する情報誌って、自社のオリジナル商品の宣伝で終わってしまうものが多いでしょう。でもCOLORFULは、商品紹介の記事は少ないし、ヘアと関係のない記事も充実している。落語家やコメディアンが登場したりとか。コンテンツの幅が広くてバラエティに富んでいるところが面白いと思います。巻頭のテーマにしても、時代性をうまく反映していますよね。テレビをつければ、今の社会問題がニュースで流れるように、COLORFULを開けば、今の美容業界における課題や現象などが題材として取り上げられている。編集スタッフが美容業界の現場をリサーチしたり、そのときの空気や流れを敏感にキャッチしながら、今の美容師さんたちが興味や関心を持っていることをテーマにしようと頑張っている姿勢が感じられますね。
 COLORFULのデザインについて感じるのは、創刊当時と比べて、どんどん良くなってきてるってことですね。モダンで読みやすくなってるし、いい感じだと思いますよ。僕の場合、雑誌を読むときはビジュアルから入るほうなので、今のデザインは好感が持てます。

COLORFULの内容について

次にどんなテーマがくるのか毎回楽しみ

 巻頭の対談で何度も登場させてもらっていますが、それぞれ思い出深いですね。「エデュケーション」というテーマでsnobの吉田隆司さんと対談したときは(vol.5)、「時間も忘れて熱く語りあったなぁ」という記憶が強く残っているし、「リラックス」というテーマでSOENの有本直幸さんと語り合ったときは(vol.18)、テーマ同様「楽しいひとときだったなぁ」と。読者の一人としては、次にどんなテーマがくるのか毎回楽しみだし、トキメキみたいなものを感じますね。情報誌で最もつまらないパターンは、毎号、同じような印象に陥ってしまうことなので、これからも規則性や縛りを持ったりせず、編集スタッフの感性で自由にテーマを設定してほしいと思います。

COLORFULへの期待

新しいジェネレーションも取り上げてほしい

 COLORFULはバラエティに富んでいる情報誌ですが、いっそのこと、もっとテリトリーを広げてしまってもいい気がします。今までは知的なオーソリティを中心に、ジャンルは違えど、同じような層の人たちが登場しているでしょう。もちろんそういう人たちも興味深くはあるけれど、それ以外の層も僕は見てみたい。例えば「渋谷のギャルって何を考えているの?」とか。僕にはギャル語なんてわからないし、とにかくギャルはフシギな人種。でも「全然わからない」で終わらせる大人ではいたくないんです。なぜってギャルも今では日本のカルチャーのひとつだし、こういう新しいジェネレーションにエネルギーを感じるから。ギャルとは対極的に、政治家の大臣が熱く語るなんていうのも面白いと思う。一冊のなかにいろんな層が取り上げられていれば「僕はこっち側でいこう」って、自分の生き方もはっきり見えてくる気がします。
 美容業界は今、「可もなく不可もなく」というワクにはまった美容師さんが、客離れ現象に苦しんでいる部分があります。それはおそらく、機能や価格重視のファストフードならぬ「ファストサロン」と、デザイン重視の「ハイブランドサロン」の二極化が進むなか、どちらのニーズにも応えきれていないから。COLORFULがあらゆる層の人たちにスポットを当てることは、そういった美容師さんに「どっちかはっきりしたら?」というメッセージにもなると思います。これからのCOLORFULにぜひ期待したいですね。

植村隆博
1997年「DADA(現DADA CuBiC)」オープン、2000年「D-CuBiC」オープン。06年には両店舗を統合拡張移転する。教育活動として04年DADA DESIGN ACADEMY開校、07年に拡張移転。02年、03年JHAグランプリ連続受賞。06年初のDVD「Disconnection」を発売。